在留資格「高度専門職」のポイント制をめぐり、政府が年収に関する基準を引き上げ、一部の評価項目を廃止する方向で検討していると、日本経済新聞が2026年8月14日付で報じました。報道によれば、法務省は2026年度内にも関連する省令を改正する方針です。
高度人材ポイント制は、外国人の活動を「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営・管理活動」の3類型に分け、学歴、職歴、年収、研究実績などをポイントで評価する制度です。合計70点以上が、高度専門職1号の認定要件となっています。
現行制度では、活動類型や年齢区分などに応じて、年収区分ごとにポイントが加算されます。ポイント表には年収1,000万円以上で40点となる区分がありますが、適用される配点は活動類型や年齢によって異なるため、すべての申請者に一律に適用されるわけではありません。
また、高度専門・技術活動と高度経営・管理活動では、年収が300万円未満の場合、他の項目で70点以上となっても高度外国人材として認定されません。
高度専門職には、複合的な在留活動、最長5年の在留期間、永住許可要件の緩和、一定の条件下での配偶者の就労・親の帯同・家事使用人の帯同、入国・在留手続の優先処理などの措置があります。
今回の見直しについて、報道では年収基準の引き上げ、一部評価項目の廃止、審査の迅速化などが示されています。一方、引き上げ後の具体的な年収額、廃止される評価項目、各項目の新たな配点、経過措置、施行日は、現時点で公表されていません。
なお、法務省・出入国在留管理庁は現行制度でも、高度人材に関する在留資格認定証明書交付申請や在留手続について優先処理の目安を設けています。そのため、今回の「審査の迅速化」は、現行の優先処理をさらに見直す趣旨なのか、具体的な内容を確認する必要があります。
年収基準が引き上げられた場合、現在のポイント計算で70点前後となる人材や、年収加点への依存度が高い人材については、認定可能性に影響が生じる可能性があります。
企業は、改正内容が正式に決まるまでは現行制度を前提に断定的な採用判断を行わず、候補者ごとに学歴、職歴、年齢、年収、研究実績などを再確認しておくことが適切です。

